いつも空は、曇りときどき晴れ

自分史、人生曇り空ばかりだけど、ときどき晴れがちょうどいい時もある

厳格だった父親の教育方針

私の父親は頑固で、他の父親に比べ厳しいと子供の頃から感じていた。

本当の厳しさとは、一貫性のある言葉と行動を子供に示し続けることだと思う。

これは、親にとって、ある意味大変なことだと分かる。

親や指導者が自分の都合や感情の起伏で、子供に叱るのとは訳が違う。

その場限りの叱責や怒りは、子供にとって意味がないことが多いと思う。

父親が一貫性を持って厳しくしていたことは、子供の生活習慣と心構えについてだった。

これだけだ。

父親も母親も、中卒のせいか分からないけど、勉強に関してはいっさい口出しをしたことがない。

「勉強しなさい」

そんな言葉を一度も聞いたことがない。

また、子供同士の喧嘩やトラブルにも干渉してこなかった。

自分たちで解決してみなさいと言っていた。

 

生活習慣と心構えに、なぜこだわり厳しく対処をしていたのか、当時の私にはまったく理解できなかった。

 

家族集合時間は朝7時、朝の家族への挨拶を必ずする。

「お父さん、お母さん、おはようございます」

7時に家族皆んなで朝食を食べる。

お昼は12時で、一時家族集合してお昼ご飯を食べる。

私がどんな遠くで遊んでいても、慌てて帰宅しなければならない。

腕時計は必需品になった。

門限は夜7時、夕食を7時に家族皆んなで食べる。就寝前の家族への挨拶を必ずする。

「お父さん、お母さん、おやすみなさい」

 

幼稚園から高校卒業まで、継続して習慣化した生活リズム。

 

父親は食事は可能な限り家族全員で食べることにこだわった。

徹底していた。

家族間の挨拶にも徹底していた。

出かける時は「行ってきます」

帰宅した時は「ただいま、帰りました」

必ず親に顔を見せること。

当たり前の習慣だけれど、1日も怠ることは許されない。

 

父親はお手伝いの重要性を示した。

家族それぞれが役割分担をして、おのおのが責任もって役割を遂行する大切さをいう。

私は毎日、新聞とりと米とぎを任せられた。

私が中学生になると、玄関掃き掃除や洗濯。

家の周りを全部、掃き掃除をする。

風呂掃除、トイレ掃除。

高校になると夕食は私が作るようになった。

兄は毎日、雨戸を全部開けて、庭の掃き掃除。

兄は私よりお手伝いの量が少なかった。

兄は、日曜大工や修繕、水道管修理など、父親に教わっていた。

 

週に1回、兄と私で家の隣の大きな公園に行き、ゴミ袋を持ってゴミ拾いをする。

近所の人が私達を見るたびに褒めてくれたけど、私も兄も恥ずかしさでいっぱいだった。

また、片道30分の小学校への通学路のゴミを拾い、父親に集めたゴミを見せた。

 

ゴミ拾いしている人、いないよね、兄ちゃん。

 

兄も私も最初は不満たらたらでゴミ拾いをしていた。

でも、ゴミ拾いを長く続けてきて、わかったことがある。

ゴミを片付ける大変さ、公共の場所を掃除する大変さ。

身をもって感じた小学生。

ゴミをぽいぽい捨てる人の気持ちが分からない。

父親から課せられたゴミ拾い。

その経験が大人になった自分に生かされていると感じる。

 

父親は食事には厳しかった。

畳の上で必ず正座をして食べること。

箸の持ち方。

食べ方。

食べる順番。

いただきます、ごちそうさまでした。

食べ終えた食器を自分で必ず片付けること。

母親が洗いやすいように皿をキレイにしておく。

好き嫌いを許してくれなかった。

食べ終わるまで、ずっと食卓にいたのを覚えている。

4時間以上、正座して食卓にいたこともある。

父親は譲らない。

泣きながら嫌いな食べ物を食べていた。

辛かったけど、おかげで苦手な食べ物が好きになるようになった。

 

そして、我が家の教訓が額縁にはられ、壁に飾ってある。

父親は学校に行く前と寝る前に、その教訓を大きな声で読むように言った。

 

幸福になれる五つの心

第1か条「ハイ」という素直な心

第2か条「すみません」という反省の心

第3か条「おかげさまで」という謙虚な心

第4か条「させていただきます」という奉仕の心

第5か条「ありがとうございます」という感謝の心

 

幼稚園と小学低学年の私には意味が分からなかった。

辞書で調べても、意味を知っても、まだ実感はわかなかったな。

幼稚園から高校卒業まで、朝と夜に五か条を読み上げる習慣。

 

また、私や兄が習慣を守らなかったり、悪さをしたり、五か条に反することをすると、あの五か条を100回大きな声で読まされた。

私は最高300回続けて読んだことがある。

兄は最高1000回続けて読んでいた。

何度読んでも実感がわかない五か条。

でも、だんだん成長するにつれ、経験を通して五か条の実感がわくようになる。

実感するようになったのは25歳かなぁ。

頭に嫌というほど五か条がリピートされ記憶に刻まれている。

あれだけ読んだのだから。

 

生活習慣と心構えに厳しかった父親

今となっては、とても大事な礎になったのではないかと思う。

勉強するにしても、仕事をするにしても、人との関わりにおいても、父親のしつけが生かされると感じる。

当時は反発心いっぱいだったけれど、今はすごく父親に感謝をしている。